- ✅ 2026-27シーズンのJリーグで適用されている新ルール
- ✅ 交代10秒・スローイン5秒・負傷1分の中身と観戦ポイント
- ✅ 高校生年代・大学生年代ではいつから適用されるのか
こんにちは!サッカー脳です!
W杯2026で「主審が手で秒数を数えている」場面をご覧になった方は多いと思います。あの新ルールは、Jリーグでも2026-27シーズンの開幕から適用されています。
この記事では、日本サッカー協会(JFA)が出した通達と競技規則の原文をもとに、今季から何が変わったのかを整理します。あわせて、高校生年代・大学生年代の大会ではいつから適用されるのかもまとめました。実はカテゴリーによって適用の時期がバラバラで、ここを知らないと「同じ年に、違うルールで試合をしている」状態が起こります。
ルールを決めているのはIFAB(国際サッカー評議会)という組織です。2026年2月28日の年次総会で改正が承認され、3月31日付の回状第32号で通達され、JFAが5月28日に国内へ通達しました。国際的には2026年7月1日から有効で、W杯2026は7月1日より前に開幕したため、先行して適用されました。
🗒 今季から変わったこと(早見表)
2026/27の改正は、ひとことでいえば「プレーが止まっている時間を減らす」ための変更です。中心になるのは次の4つ。
| 変わったこと | 内容 | 違反するとどうなる |
|---|---|---|
| 交代 10秒 | 交代で退く選手は10秒以内にピッチを出る | 交代要員は再開後1分が経過したあとの最初のプレー停止まで入れない |
| スローイン 5秒 | 遅らせていると主審が判断したら5秒のカウントダウン | 相手チームのスローインになる |
| ゴールキック 5秒 | 同じく5秒のカウントダウン | 相手チームのコーナーキックになる |
| 負傷 1分 | ピッチ上で治療や負傷の程度の判断を受けた選手 | 再開後1分間はピッチの外で待つ |
これに加えて、VARが見られる範囲が広がり、Jリーグは採用するかどうかを選べる項目をすべて採用しました。順番に見ていきます。
⏱ ① 交代の「10秒ルール」
交代ボードが表示された瞬間から、交代で退く選手は10秒以内にピッチを出なければいけません。交代ボードを使わない試合では、主審が交代の合図をしたときからカウントが始まります。
出る場所はいちばん近い境界線からというのが以前からの原則で、ここは今回変わっていません(主審が指示した場合はハーフウェーラインなど別の場所からでも出られます)。今回加わったのは「10秒」という制限時間のほうです。
10秒を過ぎるとどうなる?
- 交代で退く選手は、それでもピッチを出なければならない
- 交代要員はまだピッチに入れない
- プレーはそのまま再開される(=一時的に1人少ない状態になる)
- 交代を取り消すことはできず、別の交代要員に変えることもできない
- 交代要員が入れるのは、プレーが再開されて1分が経過したあとの、最初のプレーが止まったとき
「1分たてば入れる」「最大1分待つ」と説明されることがありますが、正確には1分が経過したあとの“最初のプレーが止まったとき”です。ボールが動き続けていれば、1分を過ぎても入れません。最短で1分、実際にはそれ以上になるのが普通です。
例外もあります
負傷していて10秒以内に出られないとき、安全や警備上の理由でいちばん近い境界線から出られないときは、10秒の制限は適用されません。
また、カウントが終わった時点で選手が境界線のすぐ近くにいる、または越えている場合は、交代要員の入場を認めるべきとされています。目的はあくまで時間稼ぎを防ぐことなので、機械的に切り捨てるルールではありません。
なお、10秒を超えただけでは警告になりません。そのうえで過度に再開を遅らせた場合だけイエローカードが出ます。
観戦ポイント
主審は手を上げて、目で見てわかるように残りの5秒をカウントダウンします(同時に声を出すこともあります)。交代の場面で主審が手を挙げていたら、カウントダウンが進んでいるところです。終盤のリードしている側が、この5秒でどう振る舞うかは見どころのひとつになります。
🤾 ② スローイン・ゴールキックの「5秒カウントダウン」
スローインやゴールキックを意図的に遅らせていると主審が判断したときに使われます。
主審は何をするか
- 笛を吹く
- 手や腕で「早く再開しなさい」と明確に合図する
- 手を上げて、目で見てわかるように5からカウントダウンする(声を出すこともある)
主審は、選手がボールを持つのを待つ必要はありません。ボールをゆっくり取りに行く/スローインで正しくない位置に立つ/ゴールキックでボールを正しくない位置に置く——こうした行為の時点でカウントを始めることができます。
5秒を過ぎたら
| どの再開 | 5秒を過ぎると |
|---|---|
| スローイン | 相手チームのスローイン(元と同じ位置から) |
| ゴールキック | 相手チームのコーナーキック(ゴールキックが行われようとしていた位置に近い側から) |
ゴールキックが相手のコーナーキックになるのは、なかなか重い罰則です。自陣ゴール前でのんびり時間を使う、という戦い方は今季から成立しにくくなりました。
こちらも、相手にボールが渡ったあとさらに過度に遅らせた場合だけ警告されます。また、カウントが終わる瞬間に投げよう・蹴ろうとしていた場合は罰せられません。
🚑 ③ ピッチで治療を受けたら「1分間は外」
ピッチの上で治療や負傷の程度の判断を受けた選手、あるいは負傷によってプレーを止める原因になった選手は、いったんピッチの外に出て、プレーが再開されてから1分間は外にいなければなりません。この1分は時計を止めずに計られます。
狙いは2つあります。ひとつは、軽い接触で大げさに倒れて時間を使う行為を減らすこと。もうひとつは、メディカルスタッフが「本当に続けさせていいのか」を見きわめる時間を確保することです。安全のための改正でもあります。
外に出なくてよい場合
- 重篤な負傷が起きたとき。とくに頭部の負傷(脳振盪など)、心臓に関わる問題、生命を脅かす症状(痙攣・窒息など)
- ゴールキーパーが負傷したとき
- ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが衝突し、対応が必要になったとき
- 同じチームの選手どうしが衝突し、対応が必要になったとき
- 相手が警告・退場になるような体を用いたファウル(無謀なチャレンジや著しく不正なプレー)の結果として負傷したとき
- ペナルティーキックが与えられ、負傷した選手がキッカーになるとき
- 選手が「診断は必要ない」と答えたとき(ただしその負傷でプレーが止まった場合を除く)、または再開を遅らせないよう自分からピッチの外に出たとき
実施手順では、メディカルスタッフはピッチ上で初期診断をする時間は与えられるが、重傷の場合を除いてピッチ上で治療をしてはならないとされています。「倒れている選手に担架が来て、そのまま長く治療する」という光景は減っていくことになります。
復帰するときは主審の承認が必要で、ボールがインプレー中ならタッチラインからのみ、ボールが外に出ていればどの境界線からでも戻れます。1分が経過する前に前半が終わった場合は、後半の頭から戻れます。
📺 ④ VARで見られる範囲が広がった
VARが介入できるのは、これまで「得点か得点でないか」「PKかPKでないか」「退場」「人違い」の4つでした。今回これが5つになり、JFAの通達では次の3つが「レビューできるようになる事象」として挙げられています。
| 追加された対象 | 補足 |
|---|---|
| 明らかに間違った2枚目の警告による退場 | これまでは2枚目の警告での退場はVARの対象外でした |
| 人違いによるカード | 反則をした選手とは別の選手にカードが出た場合。見直せるのは「誰が反則したか」だけで、得点・PK・退場に関わる場合を除いて反則そのものは対象外 |
| 明らかに間違って与えられたコーナーキック | 競技会が採用するかどうかを選べる項目。すみやかに、再開を遅らせずに変更できる場合に限る |
Jリーグはこのコーナーキックの項目も採用しています。ただしVARが導入されている試合に限られ、ゴールキックの判定は対象外です。また、コーナーキックが素早く行われてしまった場合は判定を変えられません。
🟥 ⑤ Jリーグが選んで採用した「2つの退場」
次の2つは、競技会が採用するかどうかを選べる項目です。Jリーグは2026-27シーズンから、どちらも採用すると発表しています。
| 行為 | 罰則 |
|---|---|
| 不適切な発言・侮辱・攻撃的もしくは差別的な発言が発覚しないように、自分の口を覆う行為 | 退場 |
| 主審の判定に抗議し、競技のフィールドを離れる行為 | 退場 |
1つ目は、口元を手やユニフォームで隠して暴言や差別的な発言をする行為を防ぐためのものです。2つ目は、抗議の手段としてチームや選手がピッチを引き揚げてしまう行為への対応です。いずれもIFABとFIFAが「防止するため、緊急に罰則を検討していく」と合意した行為でした。
📋 そのほかの改正
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アクセサリー | これまで「装身具」として一律に禁止だったものを見直し。危険でなく、安全に確実に覆われている場合は認められるように。危険なものは引き続き禁止で、テープで巻いてもだめ |
| ボディカメラ | 競技会が用意し、映像を管理する場合に限り、主審・副審・第4の審判員が着用できる。映像や音声は懲罰の判断に使われることがある |
| アドバンテージ | 決定的な得点機会を阻止する反則でも、アドバンテージが適用されてそのまま得点が決まった場合はカードが出ない |
| DOGSOの判断 | 決定的な得点機会かどうかを判断する材料に「攻撃側競技者の位置と数」が追加された |
| ドロップボール | ボールが外に出ていたら再開していたであろうチームも「保持したであろうチーム」に含まれることが明確化。あわせて、審判員や外的要因にボールが当たった場合は、その妨害・接触があった位置にドロップされることになった |
| PK | キッカーの偶発的なダブルタッチ(両足で同時に蹴った、蹴った直後にもう一方の足に当たった)は、入れば蹴り直し/入らなければ間接フリーキック(PK戦では失敗扱い)と明文化。GKとキッカーが同時に反則した場合にキッカーを必ず警告する、という記述は削除 |
| A代表の親善試合 | 交代要員を8人まで、両チームが合意すれば11人まで使える。ただし交代の回数は3回まで |
| キャプテンオンリー | 主審に対応できるのは原則としてキャプテンだけ、というガイドライン。今季は競技会が選べるが、2027年7月1日からすべての競技会で必須になる |
❗ GKの「8秒ルール」は今季からではありません
W杯2026でいちばん話題になったのは、ゴールキーパーがボールを手で持てるのは8秒まで、というルールでした。ただしこれはひとつ前の2025/26規則の改正で、Jリーグでは2025年8月9日のJ1第25節からすでに適用されています。
| 内容 | |
|---|---|
| それまで | 6秒を超えると間接フリーキック(実際にはほとんど適用されていませんでした) |
| 2025/26から | 8秒を超えると相手チームのコーナーキック |
| 主審の動作 | 残り5秒を手で数えてカウントダウンする |
罰則が間接フリーキックからコーナーキックに“格上げ”されたことで、ゴールキーパーの露骨な時間稼ぎには歯止めがかかりました。IFABも通達のなかで、この8秒制限は「成功裏に導入された」と評価しています。そのうえで、同じ発想をスローインとゴールキック、そして交代にも広げたのが今季の改正——という流れです。
W杯2026で適用されたルール全体については、こちらの記事にまとめています。→ 【W杯2026】新ルールまとめ|GK8秒・スローイン5秒…時間稼ぎ対策と注目変更点を解説
🎓 高校生年代・大学生年代はどうなっている?
ここがいちばん誤解の多いところです。新しい競技規則は、日本国内で一斉に切り替わるわけではありません。JFAは大会ごとに適用開始日を決めていて、その一覧を通達の添付資料で公表しています。
JFAが公表している適用開始日
| 大会 | 2026/27規則の適用開始 |
|---|---|
| 明治安田J1・J2・J3リーグ | 8月8日(土)=2026-27シーズン開幕から(8月7日に試合がある場合はその日から) |
| Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ | 9月2日(水)1回戦から |
| 天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権 | 8月19日(水)1回戦から |
| 日本フットボールリーグ(JFL) | 8月29日(土) |
| WEリーグ | 8月22日(土) |
| プレナスなでしこリーグ | 1部 9月5日(第16節)/2部 8月29日(第17節) |
| 高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグ 2026 | 9月5日(土)第12節から |
| 各種全国大会(決勝大会) | 原則7月24日(金)。ただし2025/26と2026/27のどちらを使うかは大会ごとに競技会規定に明記する |
| 地域・都道府県サッカー協会が主催する大会 | 遅くとも2027年4月1日(木)。それまでは大会主催者が適用開始日を決める |
高校年代:プレミアリーグだけが日付まで決まっている
高校年代で日付が明記されているのは高円宮杯U-18プレミアリーグの「9月5日・第12節から」だけです。ちなみに昨季の2025/26規則も「第12節から」でした(2025年9月6日)。2年続けて第12節が切り替えのタイミングになっています。
一方で、プリンスリーグ・ルーキーリーグ・U-15の地域リーグ・選手権の都道府県予選は、この一覧に個別の記載がありません。いずれも地域や都道府県のサッカー協会が運営に関わる大会なので、「上記以外の競技会」の枠に入ります。つまり適用開始日は大会主催者が決め、期限は2027年4月1日ということになります。
全国大会(選手権の本大会、高円宮杯U-15の全国大会など)は「各種全国大会(決勝大会)」の枠です。原則は7月24日からですが、2025/26と2026/27のどちらを適用するかは大会ごとに確認し、競技会規定などに明記する、と但し書きが付いています。ひとつ前の2025/26のときは、これに加えて「代表者会議や監督会議、マッチコーディネーションミーティングでその都度確認する」とも書かれていました。
大学年代:要項に切替時期の記載はありません
関東大学サッカーリーグ戦の開催要項を確認しましたが、競技規則については「試合の競技規則は現行の『サッカー競技規則』による」と書かれているだけで、いつ切り替わるかの記載はありませんでした。(交代については、登録した最大9名のなかから5回5名まで、と明記されています。)
「この大会はどちらの規則でやるのか」は、大会要項(競技会規定)を見るのがいちばん確実です。そこに書かれていなければ、代表者会議や監督会議で確認することになります。同じ選手が同じ時期にプリンスリーグと県予選に出ていても、適用されている規則が違う可能性がある——これが今の状況です。
📝 まとめ
- 交代10秒…遅れると交代要員は「再開後1分経過後の最初のプレー停止」まで入れない
- スローイン5秒…超えると相手のスローイン
- ゴールキック5秒…超えると相手のコーナーキック
- 負傷1分…ピッチで治療を受けたら再開後1分は外
- VAR拡大…2枚目の警告・人違い・間違ったCK(Jリーグは3つとも採用)
- Jリーグ独自…口を覆う/抗議でピッチを離れる、はいずれも退場
- GKの8秒…今季からではなく2025年8月から適用済み
- 高校・大学年代…プレミアは9月5日の第12節から。それ以外は大会ごとに違い、期限は2027年4月1日
どれも「時間を止めさせない」という一貫した狙いの改正です。主審が手を上げて秒数を数え始めたら、そこがひとつの見どころ。知っていると、残り10分の戦い方の見え方がずいぶん変わりますよ⚽🔥
出典(一次資料)
・日本サッカー協会「競技規則」https://www.jfa.jp/laws/
・JFA通達 日サ協発第26040010号(2026年5月28日)/IFAB回状第32号(2026年3月31日)
・添付1「2026/27年サッカー競技規則 変更の概要と詳細」、添付2「2026/27サッカー競技規則の適用開始日について」、添付3「制限時間付き交代の実施手順」、添付4「フィールド外での治療および負傷の程度の判断に関する実施手順」、添付5「スローインおよびゴールキック時のカウントダウン実施手順」
・Jリーグ「『2026/27 サッカー競技規則改正』の適用について」(2026年7月23日)
・JR東日本カップ2026 第100回関東大学サッカーリーグ戦 開催要項

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