Jリーグの試合を見ていると、解説で「この選手はホームグロウンですね」という言葉を耳にすることがあります。なんとなく「生え抜き」という意味だとは分かっても、正式にはどういう選手を指すのか、なぜそんな制度があるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。
しかもこの制度、2026-27シーズンから大きく変わりました。この記事では、ホームグロウン制度の中身と今季からの変更点、そしてよく混同されがちな「ルヴァンカップのU-21ルール」との違いまで、まとめて整理します。
⚽ ホームグロウン制度とは?
ホームグロウン制度は2019シーズンに導入された、Jリーグ独自の仕組みです。目的はシンプルで、各クラブが自前の育成組織(アカデミー)を強化し続けるように促すこと。「よその選手を買ってくるだけでなく、自分たちで選手を育てよう」という考え方が根っこにあります。
「ホームグロウン選手」の定義
📘 ホームグロウン選手の条件
12歳の誕生日を迎える年度から、21歳の誕生日を迎える年度までの間に、そのクラブの第1種〜第4種(トップ〜小学生年代)チームに登録されていた期間の合計が990日(Jリーグの3シーズンに相当)以上ある選手。
ポイントは「自クラブで3年以上育った」という部分です。生まれた土地やクラブへの愛着ではなく、登録日数という客観的な基準で決まります。
注意したいのは、必ずしも「そのクラブ一筋」である必要はないということ。育成年代に3年在籍していれば、一度別のクラブへ移籍して戻ってきた選手でもホームグロウンに該当します。逆に、下部組織にいた期間が短ければ生え抜きのイメージがあっても該当しません。
🔄 2026-27シーズンからここが変わった
今季、この制度に2つの大きな変更がありました。
① 「登録義務」から「登録推奨基準」へ
| 〜2026特別シーズン | 2026-27シーズン〜 | |
| 位置づけ | 登録義務 | 登録推奨基準 |
| J1 | 4名 | 4名 |
| J2 | 2名 | 2名 |
| J3 | 2名 | 1名 |
| 基準を満たさない場合 | 制裁措置あり | 制裁措置は撤廃 |
これまでは「必ず登録しなければならない」義務で、満たさなければ制裁がありました。今季からは「推奨」に緩和され、罰則もなくなりました。J3の基準人数も2名から1名に下がっています。
② 「ホームグロウン表彰」が新設
一方で、頑張ったクラブを評価する仕組みが新しくできました。
🏆 ホームグロウン表彰
リーグ戦終了時点で、各クラブのホームグロウン選手の合計出場時間を算出し、J1・J2・J3それぞれで順位を決定。上位5クラブに、翌シーズンのアカデミー活動助成金を増額する形で表彰金が贈られます。1位の金額はJ1が600万円、J2が500万円、J3が400万円。
つまり「罰で縛る」から「育てて使ったクラブが得をする」へと、制度の考え方が切り替わったわけです。しかも評価されるのは登録人数ではなく出場時間。ベンチに置いておくだけでは意味がなく、実際にピッチに立たせたクラブが報われる設計になっています。
❓ ルヴァンカップの「U-21ルール」とは別物です
ホームグロウン制度と混同されやすいのが、JリーグYBCルヴァンカップのU-21選手先発出場義務です。名前も趣旨も似ているようで、まったく別のルールです。
| ホームグロウン制度 | ルヴァンカップのU-21ルール | |
| 対象 | 自クラブで3年以上育った選手(年齢は不問) | その年の12月31日時点で21歳以下の日本国籍選手(育ちは不問) |
| 内容 | シーズン開幕時の登録人数の推奨基準 | 決勝を除く全試合で1名以上を先発させる義務 |
| 狙い | クラブの育成組織の強化 | 若手に実戦経験を積ませる |
大きな違いは「どこで育ったか」を見るのがホームグロウン、「何歳か」を見るのがU-21ルールという点。よそのクラブから移籍してきた20歳の選手はU-21ルールの対象になりますが、ホームグロウンではありません。逆に自クラブ育ちの30歳はホームグロウンですが、U-21ルールでは数えられません。
なお、ルヴァンカップのU-21ルールには特別指定選手や第2種(ユース)のトップ登録可能選手も含まれます。高校生・ユース年代の選手がいきなりプロの公式戦に先発する——という光景が生まれるのは、このルールがあるからです。
👀 ホームグロウン選手を見つけると観戦が面白くなる
この制度を知っていると、試合の見え方が少し変わります。
たとえば京都サンガF.C.の尹星俊(ユン・ソンジュン)は、クラブの下部組織で育ったホームグロウン選手。実績あるアタッカーが揃うチームのなかで、生え抜きの若手がどこまで食い込めるかという見方ができます。東京ヴェルディの森田晃樹、川崎フロンターレの大関友翔のように、下部組織から這い上がってきた選手がクラブの象徴になっている例も少なくありません。
「このクラブは自分たちで選手を育てられているか」という視点は、順位表だけでは見えないクラブの体力を教えてくれます。今季からは出場時間で表彰されるようになったので、若手が起用される場面はさらに増えていくかもしれません。
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🌱 高校サッカー・ユースとのつながり
ホームグロウン制度は、育成年代のサッカーとJリーグを結ぶ制度でもあります。
Jクラブのアカデミー(ジュニアユース・ユース)で育った選手がトップチームに上がれば、そのクラブのホームグロウンになります。一方、高校の部活動からプロ入りした選手は、そのクラブのホームグロウンにはなりません(そのクラブの育成組織にいた期間がないため)。
日本の育成は「Jクラブのアカデミー」と「高校の部活動」という2つのルートが並び立っているのが特徴です。ホームグロウン制度が強化されれば前者の比重が増しますが、インターハイや選手権で見せる高校サッカーの熱量もまた、日本サッカーの土台であり続けています。
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📝 まとめ
- ホームグロウン選手=12〜21歳の間に自クラブで合計990日(3シーズン相当)以上登録されていた選手
- 2026-27シーズンから「登録義務」→「登録推奨基準」に緩和され、制裁措置は撤廃(J1は4名・J2は2名・J3は1名)
- 代わりに「ホームグロウン表彰」が新設。出場時間の多い上位5クラブにアカデミー助成金(1位はJ1で600万円)
- ルヴァンカップのU-21先発義務とは別のルール。「どこで育ったか」と「何歳か」で見ているものが違う
- 高校の部活動出身の選手は、そのクラブのホームグロウンにはならない
制度の名前を知っているだけで、若手が起用されたときの意味合いが違って見えてきます。ぜひ今季のJリーグ観戦に役立ててください。
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※制度の内容は2026-27シーズン時点のものです。最新情報はJリーグ公式サイトでご確認ください。

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