- ✅ プリンスリーグは地域によって県の偏りがまったく違うこと
- ✅ 東海は7割が静岡、関西は9チームが大阪という実態
- ✅ 逆に東北と関東は5年とも全県からチームが出ていること
- ✅ 「激戦区ほど連続出場が生まれにくい」は本当。ただしプリンスの数ではなく予選の規模で決まること
プリンスリーグは東海の7割が静岡|都道府県の偏りを5年分しらべたら、連続出場が生まれる条件も見えてきた
高校サッカーこんにちは!サッカー脳です!
プリンスリーグの順位表を見ていると、地域によっては同じ県の学校ばかりが並んでいることに気づきます。
とくに東海は、10チームのうち7つが静岡県です。ほとんど「静岡リーグ」と言ってもいいくらいの構成になっています。
では他の地域はどうなのか。そしてその偏りは年々強まっているのか。2022年から2026年までの5年分を、JFA公式のチーム構成から数え直してみました。
先に前提をひとつ。プリンスリーグは地域リーグで、全国リーグであるプレミアリーグの下、各都道府県リーグの上にあたります。下の表はプリンスだけを数えたものです。
🗾 地域ごとに「最多の県」が占める割合
各地域でいちばんチーム数が多い県が、その地域の何%を占めているかを並べました。
| 地域 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 |
| 北海道 | 北海道 100% | 北海道 100% | 北海道 100% | 北海道 100% | 北海道 100% |
| 東北 | 宮城 30% | 宮城 30% | 宮城・福島 30% | 宮城 30% | 福島 30% |
| 関東 | 東京 25% | 東京 20% | 群馬・東京 20% | 4県が並んで 15% | 千葉・神奈川 20% |
| 北信越 | 新潟 40% | 新潟 33% | 新潟 39% | 新潟 44% | 新潟 44% |
| 東海 | 静岡 70% | 静岡 70% | 静岡 80% | 静岡 80% | 静岡 70% |
| 関西 | 大阪 40% | 大阪 55% | 大阪 50% | 大阪 50% | 大阪 45% |
| 中国 | 岡山 40% | 岡山 50% | 岡山・広島 30% | 岡山 40% | 岡山 40% |
| 四国 | 3県が並んで 30% | 3県が並んで 30% | 香川 40% | 香川 40% | 愛媛 40% |
| 九州 | 福岡 30% | 福岡 24% | 福岡 25% | 熊本 20% | 福岡・熊本 20% |
同じ数で並んだ年は、並んだ県をすべて書いています。
ひと目でわかるとおり、東海だけ水準が違います。5年平均にすると東海74%、次いで関西48%、北信越と中国が40%で並びます。逆に関東と九州は2割前後、東北は毎年きっちり3割で、どの年も落ち着いています。
※リーグの規模は年によって違います。北信越は2023年に10→18チーム、九州は2023〜2024年に10→20チームへ拡大しました。割合はその年の地域内での比率です。
🏔 北海道の100%は「そういう決まり」です
北海道が5年とも100%なのは、強いからではありません。プリンスリーグ北海道は北海道のチームだけで行われるリーグだからです。
他の地域は複数の県が集まって1つのリーグを作りますが、北海道は1道でそのまま1地域です。ここは比較から外して読んでください。なお5年とも8チームで変わっていません。
🗻 東海:10チーム中7つが静岡県
本題はここからです。2026年の東海の内訳を見てください。
| 県 | チーム数 | 学校・クラブ |
| 静岡 | 7 | 静岡学園、清水エスパルスユース、浜松開誠館、藤枝東、東海大翔洋、富士市立、藤枝明誠 |
| 岐阜 | 1 | 帝京大学可児 |
| 三重 | 1 | 三重 |
| 愛知 | 1 | 愛工大名電 |
静岡以外は1県1チームずつ。しかも7チームすべてが「1軍」で、セカンドチームは1つも含まれていません。
さらにプレミアリーグには東海から2チーム、静岡のジュビロ磐田U-18と愛知の名古屋グランパスU-18が出ています。あわせると東海の上位カテゴリー12枠のうち8つが静岡ということになります。
この比率は5年間ずっと7〜8割で動いていません。2024年と2025年には8割(10チーム中8つ)まで達しました。
5年分を並べるとこうなります。
| 年 | 静岡 | 愛知 | 岐阜 | 三重 | 計 |
| 2022 | 7 | 1 | 2 | 0 | 10 |
| 2023 | 7 | 2 | 0 | 1 | 10 |
| 2024 | 8 | 1 | 0 | 1 | 10 |
| 2025 | 8 | 1 | 1 | 0 | 10 |
| 2026 | 7 | 1 | 1 | 1 | 10 |
その裏返しとして、東海では5年のうち4年でどこかの県が0チームになっています。2022年と2025年は三重、2023年と2024年は岐阜が空でした。4県しかない地域で毎年どこかが欠ける、というのは他ではあまり見られません。
🌾 北信越:新潟が年々増えている
北信越は、特定の県が増え続けているという点で他とちがいます。
| 年 | 新潟 | 石川 | 富山 | 長野 | 福井 | 計 |
| 2022 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 10 |
| 2023 | 6 | 5 | 4 | 2 | 1 | 18 |
| 2024 | 7 | 5 | 3 | 2 | 1 | 18 |
| 2025 | 8 | 5 | 2 | 2 | 1 | 18 |
| 2026 | 8 | 4 | 2 | 3 | 1 | 18 |
リーグが10チームから18チームへ拡大するなかで、新潟は4→6→7→8→8と伸び、5年で倍になりました。1つの県の増え方としては全国でいちばん大きい動きです(次いで千葉と神奈川と熊本の+3)。
割合で見ても40%→44%と上がっています。一方で富山は2023年の4から2まで減りました。
ただし新潟の8チームには帝京長岡2ndと日本文理2ndというセカンドチームが2つ含まれています。学校・クラブの数で見ると6つです。ここは差し引いて読む必要があります。
福井は2022年こそゼロでしたが、リーグが拡大した2023年以降は4年連続で丸岡1チームだけです。
ただし、これは「県内で丸岡が抜けている」という意味ではありません。選手権の福井代表は第103回・第104回と2大会連続で福井商業。プリンスにいるのは丸岡でも、勝ち上がっているのは別の学校という状態です。
プリンスの所属と県内の勢力図は、必ずしも一致しません。このあとの分析にもつながる話です。
🏯 関西:大阪が9チーム、奈良は4年連続ゼロ
関西は1部・2部あわせて20チーム。その内訳がこちらです。
| 県 | チーム数 | 学校・クラブ |
| 大阪 | 9 | セレッソ大阪U-18、履正社、阪南大高、産大附属、興國、東海大仰星、大阪桐蔭、金光大阪、関大北陽 |
| 兵庫 | 5 | 神戸弘陵、三田学園、滝川第二、ヴィッセル神戸U-18B、関西学院 |
| 京都 | 4 | 京都橘、京都サンガF.C.、京都橘B、京都共栄学園 |
| 滋賀 | 2 | 近江、近江B |
| 奈良 | 0 | ― |
| 和歌山 | 0 | ― |
大阪の9チームはすべて1軍です。ガンバ大阪ユースがプレミアにいるので、大阪は上位カテゴリーに10チームを置いていることになります。これは全国の都道府県で最多です。
一方で奈良は2023年以降、4年連続でゼロです。和歌山も2022年には3チームいましたが、2025年・2026年と2年続けてゼロになっています(2024年だけ1チーム)。
滋賀も2チームのうち1つは近江のセカンドチームなので、実質は近江1校です。
5年分の推移も見てください。2023年に大阪が11チームまで増えたのがピークです。
| 年 | 大阪 | 京都 | 兵庫 | 滋賀 | 和歌山 | 奈良 | 計 |
| 2022 | 8 | 3 | 3 | 2 | 3 | 1 | 20 |
| 2023 | 11 | 4 | 3 | 2 | 0 | 0 | 20 |
| 2024 | 10 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 20 |
| 2025 | 10 | 4 | 5 | 1 | 0 | 0 | 20 |
| 2026 | 9 | 4 | 5 | 2 | 0 | 0 | 20 |
いまの関西は「大阪・兵庫・京都」と「滋賀・奈良・和歌山」で、はっきり二層に分かれています。2022年には和歌山にも3チームいたので、この形になったのは2023年以降です。
🤝 東北と関東は、5年とも全県からチームが出ています
ここまでとは逆の話をします。東北と関東だけは、2022年から2026年まで1年も欠けることなく、地域内のすべての県からチームが出ています。
| 地域 | 県の数 | 5年間で0チームの県が出た年 |
| 東北 | 6 | なし |
| 関東 | 8 | なし |
| 四国 | 4 | 2024年(高知) |
| 北信越 | 5 | 2022年(福井) |
| 九州 | 8 | 2022年(沖縄) |
| 中国 | 5 | 2022・2024・2026年 |
| 東海 | 4 | 2022・2023・2024・2025年 |
| 関西 | 6 | 2023・2024・2025・2026年 |
■ 東北の5年
| 年 | 宮城 | 福島 | 岩手 | 秋田 | 青森 | 山形 | 計 |
| 2022 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 10 |
| 2023 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 10 |
| 2024 | 3 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 10 |
| 2025 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 10 |
| 2026 | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 10 |
東北は最多の県でも毎年ちょうど30%。2026年は福島3、宮城2、岩手2、青森1、山形1、秋田1という構成で、6県すべてが3チーム以下に収まっています。突出した県がないのが東北の特徴です。
おもしろいのは青森です。2026年のプリンス東北にいる青森のチームは青森山田高校セカンドの1つだけ。青森山田の1軍はプレミアリーグにいるので、青森県からプリンスに出ている「1軍」は0ということになります。
■ 関東の5年
| 年 | 東京 | 神奈川 | 群馬 | 埼玉 | 栃木 | 千葉 | 茨城 | 山梨 | 計 |
| 2022 | 4 | 1 | 1 | 3 | 2 | 1 | 2 | 2 | 16 |
| 2023 | 4 | 2 | 3 | 2 | 3 | 1 | 3 | 2 | 20 |
| 2024 | 4 | 3 | 4 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 20 |
| 2025 | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 3 | 2 | 2 | 20 |
| 2026 | 2 | 4 | 1 | 3 | 2 | 4 | 2 | 2 | 20 |
関東は8県で20チームという大所帯ですが、それでも最多の千葉と神奈川が4ずつ。2025年は最多でも3チームどまり(15%)で、しかも群馬・千葉・東京・神奈川の4県が横並びでした。これは5年間で全地域を通じていちばん低い集中度です。
🌏 中国・四国・九州は、上位が接近しています
残る3地域は、最多の県と2番手の差が小さいのが特徴です。四国と九州は最多の県そのものが入れ替わります。
■ 中国の5年
| 年 | 岡山 | 広島 | 島根 | 山口 | 鳥取 | 計 |
| 2022 | 4 | 3 | 2 | 0 | 1 | 10 |
| 2023 | 5 | 2 | 1 | 1 | 1 | 10 |
| 2024 | 3 | 3 | 2 | 2 | 0 | 10 |
| 2025 | 4 | 3 | 1 | 1 | 1 | 10 |
| 2026 | 4 | 2 | 2 | 2 | 0 | 10 |
岡山が5年とも最多です(2024年は広島と同数)。2026年は岡山4に対して島根・広島・山口が2ずつと接近しました。ただし鳥取は2026年もゼロです(米子北がプレミアにいます)。
■ 四国の5年
| 年 | 香川 | 愛媛 | 徳島 | 高知 | 計 |
| 2022 | 3 | 3 | 3 | 1 | 10 |
| 2023 | 3 | 3 | 3 | 1 | 10 |
| 2024 | 4 | 3 | 3 | 0 | 10 |
| 2025 | 4 | 3 | 2 | 1 | 10 |
| 2026 | 2 | 4 | 3 | 1 | 10 |
2022年と2023年は徳島・香川・愛媛が3チームずつで横並び、2024年と2025年は香川が4、2026年は愛媛が4と、最多の県がころころ変わります。4県で回している地域なので、1チーム増減するだけで順番が入れ替わります。
2026年は香川が4から2へ減り、愛媛が3から4へ増えました。
■ 九州の5年
| 年 | 福岡 | 熊本 | 長崎 | 宮崎 | 佐賀 | 鹿児島 | 大分 | 沖縄 | 計 |
| 2022 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 10 |
| 2023 | 4 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 17 |
| 2024 | 5 | 3 | 3 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 20 |
| 2025 | 3 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 | 1 | 20 |
| 2026 | 4 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 20 |
2025年に福岡から熊本へ最多が入れ替わりました。2026年は熊本4・福岡4で並んでいます。ただし熊本の4つのうち2つは大津の2nd・3rdなので、学校数では福岡のほうが多い構成です。
🧐 「集中している県ほど連続出場が生まれにくい」? 当たっていました
ここまで見てきて、こう考えた方は多いと思います。
- 強いチームが密集している県は、予選のレベルが高い
- だから毎年ちがう学校が勝ち上がる
- 逆にライバルが少ない県は、同じ学校が連続出場しやすい

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