こんにちは。
大学サッカーを見ていると、「この選手、どこの高校だっけ?」と気になることがあります。選手権で活躍したあの子は今どこにいるのか、うちの県の高校からは何人が大学に進んだのか——そういう疑問に答えるデータが、実はまとまった形では見当たりませんでした。
そこで関東大学サッカーリーグに所属する34大学の2026年度新入部員1110人について、全員の前所属(出身高校・Jクラブユース)を集めて数えてみました。各大学の公式サイトと関東大学サッカー連盟の発表をもとにした一次情報です。
数え終えて、いちばん意外だった数字から先にお伝えします。
📌 この記事でわかること
・大学サッカーに進む選手の半分強は、プレミアでもプリンスでもない高校の出身
・新入生を最も多く送り出した高校(前橋育英22人)
・その一方で、317校のうち53%は「1人だけ」という裾野の広さ
・高校・ユースの所在地は関東63.9%、関西は2.8%(31人)
・ただし5人に1人は地域をまたいで高校に進んでいる(=高校所在地は出身地ではない)
・大学によって集め方がまるで違うこと——新入生のプレミア・プリンス出身率は関東学院大90.9%、青山学院大20.8%
・附属校からそのまま進む「パイプ」と、全国に散る強豪校
📊 先に、このデータの前提です
・関東大学サッカーリーグ36大学のうち、新入部員を公表している34大学が対象です。日本体育大学と山梨学院大学は公表がなく含まれていません
・数えたのは「前所属」=高校またはJクラブユースです
・プレミア・プリンスの区分は、この学年が高校3年生だった2025年度の所属で判定しました
・地域別の数字は「高校・クラブの所在地」であって、選手の出身地ではありません。このズレは思ったより大きく、④の章で検証しています
・マネージャー・トレーナーなど選手以外は除いています(くわしい前提と注意点は記事末尾にまとめています)
① 半分強は「プレミアでもプリンスでもない高校」から
高校サッカーには全国リーグの階層があります。頂点がプレミアリーグ(全国24チーム)、その下がプリンスリーグ(9地域126チーム)、さらに下に各都道府県のリーグが広がっています。
では、大学サッカーに進む選手はどの階層から来ているのか。1110人の前所属を分類しました。
| 前所属のカテゴリー | 人数 | 割合 |
| プレミアリーグ所属 | 192人 | 17.3% |
| プリンスリーグ所属 | 313人 | 28.2% |
| それ以外(都道府県リーグなど) | 605人 | 54.5% |
半分強が「それ以外」でした。プレミアとプリンスを合わせると505人・45.5%で、4割半ばです。
👀 全国区の強豪校でなくても道はある
605人が、プレミアにもプリンスにも出ていない高校から大学サッカーへ進んでいます。県立の進学校、地方の私立、都立高校まで実にさまざまです。しかもその多くは「その高校からただ1人」という進み方をしています。「全国大会に出られなかったから終わり」ではないことが、②の章でもっとはっきり見えてきます。
高校とJクラブユースの比率はこうなっています。
| 出身 | 人数 | 割合 |
| 高校 | 869人 | 78.3% |
| Jクラブユース | 234人 | 21.1% |
| 海外の高校・不明 | 7人 | 0.6% |
約8割が高校サッカー経由です。集めた選手たちは317校の高校と63のクラブユースから来ていました。
② どの高校が多く送り出しているか
高校別のランキングです。8人以上を送り出した27校を載せます。
| 人数 | 高校 | 所在 |
| 22 | 前橋育英高校 | 群馬 |
| 21 | 流通経済大学付属柏高校 | 千葉 |
| 19 | 尚志高校 | 福島 |
| 16 | 西武台高校 | 埼玉 |
| 14 | 関東第一高校 | 東京 |
| 13 | 静岡学園高校 | 静岡 |
| 13 | 堀越高校 | 東京 |
| 13 | 日本大学藤沢高校 | 神奈川 |
| 12 | 市立船橋高校 | 千葉 |
| 12 | 鹿島学園高校 | 茨城 |
| 12 | 桐蔭学園高校 | 神奈川 |
| 12 | 青森山田高校 | 青森 |
| 11 | 昌平高校 | 埼玉 |
| 11 | 矢板中央高校 | 栃木 |
| 11 | 東福岡高校 | 福岡 |
| 11 | 日本体育大学柏高校 | 千葉 |
| 10 | 桐光学園高校 | 神奈川 |
| 9 | 明秀学園日立高校 | 茨城 |
| 9 | 習志野高校 | 千葉 |
| 9 | 駒澤大学高校 | 東京 |
| 8 | 帝京高校 | 東京 |
| 8 | 佐野日本大学高校 | 栃木 |
| 8 | 日本航空高校 | 山梨 |
| 8 | 帝京長岡高校 | 新潟 |
| 8 | 東海大学付属高輪台高校 | 東京 |
| 8 | 山梨学院高校 | 山梨 |
| 8 | 埼玉平成高校 | 埼玉 |
Jクラブユース側のランキングです。
| 人数 | クラブ |
| 13 | 湘南ベルマーレU-18 |
| 11 | 浦和レッズユース |
| 11 | ジェフユナイテッド市原・千葉U-18 |
| 10 | 柏レイソルU-18 |
| 9 | 三菱養和SCユース |
| 9 | モンテディオ山形ユース |
| 9 | FC町田ゼルビアユース |
| 9 | FC東京U-18 |
| 9 | 鹿島アントラーズユース |
| 8 | 横浜FCユース |
| 7 | 東京ヴェルディユース |
| 7 | RB大宮アルディージャU18 |
| 7 | 川崎フロンターレU-18 |
| 7 | 北海道コンサドーレ札幌U-18 |
| 6 | 水戸ホーリーホックユース |
| 6 | カターレ富山U-18 |
| 6 | ベガルタ仙台ユース |
高校・ユースの所在地を都道府県別に見ると、こうなります。
| 都道府県 | 人数 |
| 東京 | 167 |
| 千葉 | 130 |
| 神奈川 | 115 |
| 埼玉 | 106 |
| 茨城 | 59 |
| 群馬 | 54 |
| 静岡 | 44 |
| 福島 | 36 |
| 栃木 | 35 |
| 山梨 | 34 |
| 新潟 | 32 |
| 北海道 | 24 |
じつは半分の高校が「1人だけ」
ここまではランキングの上位を見てきましたが、317校の全体像はまったく違う形をしています。何人送り出したかで高校を分けてみます。
| 送り出した人数 | 高校数 | 合計人数 |
| 1人だけ | 168校(53%) | 168人(19.3%) |
| 2人 | 57校(18%) | 114人(13.1%) |
| 3人 | 28校(9%) | 84人(9.7%) |
| 4〜7人 | 37校(12%) | 187人(21.5%) |
| 8人以上 | 27校(9%) | 316人(36.4%) |
317校のうち168校、半分以上が「1人だけ」です。前橋育英や流通経済大学付属柏のようにまとめて送り出す高校は、数のうえではごく一部にすぎません。
しかもランキングに載る8人以上の27校を全部足しても316人(36.4%)。残りの6割強は、1人か2人しか送り出していない高校から来ています。
📌 「その高校からただ1人」の168人
この168人の前所属を調べると、159人(95%)がプレミアでもプリンスでもない高校でした。プレミアリーグの高校は1人だけです。強豪校の名前が並ぶランキングの裏側で、全国317近くの高校から、たった1人ずつが関東の大学に進んでいます。
Jクラブユースも同じ形でした。63クラブのうち21クラブ(33%)が1人だけ。「一部の強豪から大量に、あとは全国から少しずつ」という構造は共通しています。
なお、このランキングは関東の34大学に限った集計です。全国121大学3,019人で数え直すと、1位は藤枝明誠(静岡)の41人、2位が青森山田(青森)の37人。関東だけを見ていると出てこない西日本の高校が、上位に並びます。
③ 関東が6割、関西からは31人だけ
高校・クラブの所在地を9地域に分けて集計しました。選手の出身地ではなく、通っていた高校・クラブがどこにあるかという数字です。この違いは思ったより大きく、次の章でくわしく検証します。
| 地域 | 人数 | 割合 |
| 関東 | 700人 | 63.9% |
| 東北 | 102人 | 9.3% |
| 北信越 | 72人 | 6.6% |
| 九州・沖縄 | 66人 | 6.0% |
| 東海 | 60人 | 5.5% |
| 関西 | 31人 | 2.8% |
| 中国 | 27人 | 2.5% |
| 北海道 | 24人 | 2.2% |
| 海外 | 7人 | 0.6% |
| 四国 | 6人 | 0.5% |
※所在地を特定できなかった15人(通信制高校など)は除いています。
💡 関西の選手は関西の大学へ
関東の大学に来る関西の高校・クラブ出身はわずか31人(2.8%)、四国にいたっては6人だけです。関西には関西学生サッカーリーグ(48大学)があり、関西の高校生は関西の大学に進むのが基本だと分かります。一方で東北102人・九州沖縄66人は関東に出てきています。地元に大学サッカーの受け皿が少ない地域ほど、関東へ向かう流れがあるようです。
※ただしこの人数には、関東出身で東北や九州の高校に進んだ選手が含まれます。次の章をご覧ください。
地域ごとに「高校出身かユース出身か」の比率も違います。
| 地域 | 高校 | ユース | ユース率 |
| 九州・沖縄 | 58人 | 8人 | 12.1% |
| 関西 | 25人 | 6人 | 19.4% |
| 関東 | 555人 | 145人 | 20.7% |
| 東海 | 46人 | 14人 | 23.3% |
| 北信越 | 55人 | 17人 | 23.6% |
| 東北 | 77人 | 25人 | 24.5% |
| 中国 | 20人 | 7人 | 25.9% |
| 北海道 | 17人 | 7人 | 29.2% |
| 四国 | 3人 | 3人 | 50.0% |
九州・沖縄はユース出身が12.1%しかありません。九州から関東の大学へ進むのは、ほぼ高校サッカー経由ということになります。
④ 高校の所在地は「出身地」ではない
ここまでの地域別の数字には、大きな落とし穴があります。
青森山田高校の選手は青森県出身とは限りません。全国から選手が集まる強豪校では、中学を卒業して親元を離れ、寮に入る選手が珍しくないからです。つまり「高校の所在地」と「選手の地元」は別物です。
では、どのくらいズレるのか。出身地を公表している7大学144人について、地元と高校の所在地を1人ずつ照合しました。1110人の13%にあたります。
| 人数 | 割合 | |
| 地元の県 ≠ 高校の県 | 48人 | 33.3% |
| うち地域まで違う | 25人 | 17.4% |
3人に1人が県をまたぎ、5人に1人が地域をまたいでいます。
「高校の所在地=出身地」として読むと、強豪校のある県を多く見積もりすぎることになります。
実際にどう動いているのか
地域をまたいだ25人から、代表的な例を挙げます。
| 選手 | 地元 | 進んだ高校 |
| 斎藤 大翔(城西大) | 東京 | 青森山田(青森) |
| 林 斗愛(城西大) | 千葉 | 青森山田(青森) |
| 榎本 司(法政大) | 神奈川 | 尚志(福島) |
| 角 虎一(筑波大) | 東京 | 尚志(福島) |
| 中原 悠陽(上武大) | 東京 | 大津(熊本) |
| 宮林 彪真(城西大) | 東京 | 立正大淞南(島根) |
| 堀 慎太郎(筑波大) | 新潟 | 興國(大阪) |
| 神吉 俊之介(法政大) | 兵庫 | 静岡学園(静岡) |
関東から東北・九州へ向かう流れが目立ちます。ただし逆もあります。
| 選手 | 地元 | 進んだ高校 |
| 長野 恵弥(城西大) | 宮城 | 市立船橋(千葉) |
| 加藤 友仁(筑波大) | 大阪 | 昌平(埼玉) |
| 高田 悠生(筑波大) | 長野 | さいたま市立浦和(埼玉) |
| 金沢 楓(明治大) | 福島 | 矢板中央(栃木) |
地方から関東の強豪校へ来る選手もいて、人の流れは双方向です。ただ全体では、関東から出ていく数のほうが多くなっています。
地域別に見ると、東北と九州が減る
144人を「高校の所在地」で数えた場合と「地元」で数えた場合を並べます。
| 地域 | 高校の所在地 | 地元 | 差 |
| 関東 | 80人 | 86人 | +6 |
| 東北 | 16人 | 10人 | −6 |
| 東海 | 15人 | 14人 | −1 |
| 九州・沖縄 | 9人 | 6人 | −3 |
| 北信越 | 9人 | 9人 | ±0 |
| 関西 | 6人 | 9人 | +3 |
| 北海道 | 5人 | 6人 | +1 |
| 中国 | 3人 | 3人 | ±0 |
| 四国 | 1人 | 1人 | ±0 |
⚠️ 東北は約4割、九州は約3割が「地元の選手ではない」
この比率を1110人にあてはめると、地元ベースの人数はおおよそ次のようになります。
・東北 102人 → 約64人
・九州沖縄 66人 → 約44人
・関東 700人 → 約750人(68%)
あくまで目安ですが、関東の比率は6割ではなく7割近いと考えたほうが実態に近そうです。
「県が違う」と「地域が違う」は分けて見る
県をまたいだ48人のうち23人(約半分)は、同じ地域のなかでの移動です。うち12人は東京・神奈川・千葉・埼玉のあいだで、埼玉の子が東京の高校へ、千葉の子が東京の高校へ——といったケースです。電車で通える距離のことも多く、親元を離れる「サッカー留学」とは意味が違います。
だから注目すべきは「地域が違う」17.4%のほうです。この5人に1人が、中学卒業と同時に家を出た選手ということになります。
地元から採る大学、全国から採る大学
7大学それぞれの「地域をまたいだ選手」の割合です。人数は出身地が分かった選手だけなので、⑤の章に出てくる各大学の総人数より少なくなっています。
| 大学 | 人数 | 地域をまたいだ割合 |
| 法政大 | 13人 | 31% |
| 城西大 | 28人 | 29% |
| 上武大 | 26人 | 15% |
| 明治大 | 13人 | 15% |
| 早稲田大 | 14人 | 14% |
| 筑波大 | 42人 | 12% |
| 東京学芸大 | 8人 | 0% |
※人数が10人前後の大学は、1人違うだけで割合が大きく動きます。母数の大きい筑波大42人・城西大28人・上武大26人と、8〜14人の大学を同じ精度で比べないでください。
東京学芸大は8人全員が地元の高校の出身でした。都立国分寺、相模原弥栄、高知国際と公立校が並びます。国立の教育大学で、学力で入って部活に進むルートが太いためだと考えられます。
一方で法政大・城西大は3割前後。全国に散った選手を集めるタイプです。同じ関東リーグでも、大学の性格によってここまで違います。
💡 別の方法でも確かめました
出身地そのものは公表していなくても、小学生・中学生年代の所属クラブを載せている大学があります。この年代は寮生活がまずないので、クラブの所在地はほぼ地元です。
流通経済大・中央大・神奈川大の1年生のうち、所在地を特定できた計68人で数えたところ、地域をまたいだ選手は16%。上の17.4%とほぼ同じでした。
ここでも大学差は大きく、神奈川大38%に対して中央大は5%。神奈川大には沖縄から広島の高校へ、青森から埼玉の高校へ進んだ選手がいました。
⑤ 大学によって集め方がまるで違う
34大学を並べると、大学ごとの方針の違いがはっきり出ました。
| 大学 | 所属 | 人数 | 高校が関東 | ユース出身 | プレミア・プリンス出身 |
| 東京国際 | 2部 | 100 | 66% | 14% | 29.0% |
| 拓殖 | 2部 | 87 | 72% | 17% | 39.1% |
| 明治学院 | 2部 | 69 | 71% | 9% | 47.8% |
| 流通経済 | 2部 | 55 | 62% | 18% | 32.7% |
| 立教 | 2部 | 51 | 75% | 22% | 47.1% |
| 順天堂 | 3部 | 50 | 60% | 24% | 48.0% |
| 筑波 | 1部 | 48 | 42% | 15% | 33.3% |
| 中央学院 | 3部 | 45 | 71% | 33% | 24.4% |
| 亜細亜 | 3部 | 42 | 76% | 12% | 28.6% |
| 共栄 | 3部 | 39 | 56% | 15% | 41.0% |
| 国士舘 | 1部 | 37 | 59% | 32% | 59.5% |
| 東京農業 | 3部 | 35 | 77% | 20% | 40.0% |
| 慶應義塾 | 2部 | 31 | 90% | 23% | 32.3% |
| 産業能率 | 2部 | 31 | 52% | 35% | 51.6% |
| 作新学院 | 3部 | 30 | 50% | 23% | 50.0% |
| 城西 | 2部 | 29 | 52% | 14% | 69.0% |
| 専修 | 2部 | 29 | 48% | 21% | 69.0% |
| 東海 | 1部 | 27 | 56% | 22% | 59.3% |
| 上武 | 3部 | 26 | 69% | 12% | 30.8% |
| 青山学院 | 3部 | 24 | 75% | 17% | 20.8% |
| 日本 | 1部 | 22 | 77% | 27% | 50.0% |
| 早稲田 | 1部 | 22 | 50% | 36% | 63.6% |
| 城西国際 | 3部 | 21 | 57% | 0% | 33.3% |
| 中央 | 1部 | 20 | 55% | 35% | 65.0% |
| 駒澤 | 1部 | 19 | 42% | 11% | 63.2% |
| 桐蔭横浜 | 1部 | 18 | 56% | 22% | 55.6% |
| 立正 | 2部 | 17 | 41% | 24% | 88.2% |
| 東洋 | 1部 | 14 | 86% | 50% | 85.7% |
| 神奈川 | 2部 | 14 | 43% | 50% | 50.0% |
| 明治 | 1部 | 13 | 62% | 46% | 76.9% |
| 法政 | 1部 | 13 | 46% | 15% | 84.6% |
| 國學院大學 | 3部 | 12 | 67% | 42% | 58.3% |
| 関東学院 | 2部 | 11 | 45% | 45% | 90.9% |
| 東京学芸 | 3部 | 9 | 56% | 33% | 33.3% |
プレミア・プリンス出身率で見ると、関東学院大の90.9%から青山学院大の20.8%まで4倍以上の開きがあります。
⚠️ 「少人数の私立ほどトップカテゴリー」という傾向
東洋大14人・明治大13人・法政大13人・立正大17人・関東学院大11人といった少人数の私立は、プレミア・プリンス出身が8〜9割。一方、東京国際大100人・拓殖大87人・明治学院大69人といった大人数の大学は、それ以外が5〜7割です。ただし少人数でも国公立は当てはまりません(東京学芸大9人で33.3%)。絞って採る大学は実績のある選手を、広く採る大学は多様な出身の選手を受け入れている——という構図が数字に出ています。どちらが良い悪いではなく、方針の違いです。
1部・2部・3部で、はっきり差が出る
関東大学サッカーリーグは1部・2部・3部がそれぞれ12大学、合わせて36大学で構成されています。今回のデータには日本体育大学(1部)と山梨学院大学(3部)が入っていないので、1部11・2部12・3部11の34大学で比べます。
| 1部 | 2部 | 3部 | |
| 大学数 | 11 | 12 | 11 |
| 新入生 | 253人 | 524人 | 333人 |
| 1大学あたり | 23.0人 | 43.7人 | 30.3人 |
| プレミア出身 | 24.9% | 16.8% | 12.3% |
| プリンス出身 | 33.2% | 28.2% | 24.3% |
| 2つの合計 | 58.1% | 45.0% | 36.6% |
| 高校が関東 | 55.3% | 65.1% | 65.8% |
プレミア出身率が24.9%→16.8%→12.3%と、リーグが下がるほどきれいに落ちていきます。プリンスまで含めた合計でも58.1%→45.0%→36.6%。1部の新入生は5人に3人が全国リーグの経験者ですが、3部では3人に1人強です。
逆に動くのが「高校が関東」の割合です。1部55.3%に対して3部は65.8%。上のリーグほど、関東の外から選手を連れてきています。
💡 人数の多さ=リーグの強さではありません
1大学あたりの新入生が最も多いのは2部の43.7人です。東京国際大100人・拓殖大87人・明治学院大69人が2部にいるためで、1部の23.0人を大きく上回ります。1部の大学ほど、少ない人数を絞って採っているということになります。
プレミアリーグ出身の192人がどこへ進んだかも見ておきます。1部に63人、2部に88人、3部に41人。2部がいちばん多いのは新入生の総数が倍近いためで、率にすると1部が最も高くなります。
国公立は、また別の形
ただし「少人数=推薦で実績組を集める」がすべてではありません。筑波大48人でプレミア・プリンス17%、東京学芸大9人で22%と、国公立は少人数でもカテゴリー率が低くなっています。
国公立は学力試験を通って入学する学生が中心だからです。④の章で東京学芸大の8人全員が地元の公立高校などの出身だったのも、同じ理由でしょう。私立の少人数校とは中身がまったく違います。
💡 進路を考えるときの見方
・少人数の私立(東洋大・明治大・法政大など)——スポーツ推薦の枠に入れるかどうかが勝負になります
・大人数の私立(東京国際大・拓殖大など)——一般入試で入学してから入部する道もあります
・国公立(筑波大・東京学芸大など)——まず学力。サッカーの実績だけでは入れません
入部の条件は大学ごとに違うので、実際に受けるときは各大学のサッカー部や入試課で必ず確認してください。
⚠️ この章の見方について
各大学の入部経路を1つずつ確認したわけではありません。名簿の人数と出身校の傾向から読み取れる範囲の話です。また名簿の人数は「部の規模」であって、推薦枠の数そのものではありません。
⑥ 附属校のパイプと、全国に散る強豪校
同じ高校から複数の選手が進む場合、1つの大学に固まるケースとバラバラに散るケースがあります。
固まっているのは附属校です。
| 高校 | 人数 | 進学先 |
| 慶應義塾高校 | 5人 | 全員が慶應義塾大学 |
| 立教新座高校 | 4人 | 全員が立教大学 |
| 東海大学付属福岡高校 | 3人 | 全員が東海大学 |
| 拓殖大学紅陵 | 6人 | 城西国際大学に4人 |
| 東海大学付属高輪台高校 | 8人 | 東海大学に4人 |
東海大学は27人中13人(48%)が東海大学付属校の出身でした。
一方、強豪校ほど進学先が散ります。
| 高校 | 人数 | 進学先 |
| 前橋育英高校 | 22人 | 13大学に分散(明治学院大学に4人) |
| 流通経済大学付属柏高校 | 21人 | 14大学に分散(流通経済大学に6人) |
| 尚志高校 | 19人 | 16大学に分散(最多2人) |
| 西武台高校 | 16人 | 11大学に分散(立教大学に3人) |
| 関東第一高校 | 14人 | 7大学に分散(拓殖大学に5人) |
| 静岡学園高校 | 13人 | 7大学に分散(順天堂大学に3人) |
尚志は19人を送り出しながら、同じ大学に行ったのは最大でも2人。強豪校の選手ほど、それぞれ自分に合った進学先を選んでいることが読み取れます。
この「固まる/散る」の傾向は、全国で数えるともっとはっきりします。大阪学院大学高校は18人中18人が系列の大阪学院大学へ。反対に大津(熊本)の26人は22大学・5地域に散りました。西日本の附属校ほど内部進学がはっきりしている、という違いも見えてきます。
⑦ ポジションはMFが4割
ポジションが判明した783人の内訳です。残る327人は、名簿にポジションの記載がありませんでした。
| ポジション | 人数 | 割合 |
| MF | 320人 | 40.9% |
| DF | 261人 | 33.3% |
| FW | 131人 | 16.7% |
| GK | 71人 | 9.1% |
MFが4割を占めています。ピッチに立つ11人のうちMFが4人前後という一般的な布陣を考えると、ほぼ想定どおりの比率です。
目を引くのはGKの71人です。34大学で割ると1大学あたり2.1人。1試合に1人しか立てないポジションなので、新入生の時点でいちばん競争が厳しいことになります。裏を返せば、GKは大学が毎年少しずつしか採らない枠だとも言えます。
📋 このデータについて
集計の前提と限界を明記しておきます。
| 項目 | 内容 |
| 対象 | 関東大学サッカーリーグ所属36大学のうち、新入部員を公表している34大学 |
| 人数 | 1110人(2026年度入部の1年生) |
| 出典 | 各大学サッカー部の公式サイト、および関東大学サッカー連盟の入部予定選手一覧 |
| リーグ区分 | プレミア・プリンスは、この学年が高校3年生だった2025年度の所属で判定 |
| 除外 | マネージャー・アナリスト・トレーナー・学生コーチなど、選手以外 |
| 未収録 | 日本体育大学・山梨学院大学(新入部員が公表されていないため) |
| 出身地の照合 | 出身地を公表している7大学144人(④の章)。ほかに小中学年代の所属クラブから地元を推定した3大学68人 |
⚠️ 数字を読むときの注意
① 前所属の書き方は大学ごとに違います。Jクラブユースの選手は高校にも通っているため、「柏レイソルU-18」と書く大学もあれば「日本体育大学柏高校」と書く大学もあります。ユース率の比較は目安としてご覧ください。
② 一般入試などで入部した選手が名簿に載っていない場合があります。
③ 国士舘大学のみ、公式サイトに1年生の掲載がなく連盟データを使用しています。
④ 通信制高校など所在地を特定できない15人は、地域別集計から除いています。
⑤ 地域別の人数は「高校・ユースの所在地」です。選手の出身地とは異なります(④の章を参照)。
⑥ 同じ高校でも大学によって表記が違う(「東海大学付属高輪台」と「東海大付属高輪台」など)ため、正式名称に寄せて名寄せしています。
📝 まとめ
関東の大学サッカー部・新入生1110人のまとめ
・半分強(54.5%)はプレミアでもプリンスでもない高校の出身
・高校出身が78.3%、Jクラブユース出身が21.1%
・高校・ユースの所在地は関東63.9%、関西はわずか2.8%(31人)
・ただし5人に1人は地域をまたいで高校に進学。地元ベースなら関東は7割近い
・最も多く送り出したのは前橋育英の22人、ユースでは湘南ベルマーレU-18の13人
・送り出した高校317校のうち168校(53%)は1人だけ。その95%がプレミア・プリンス以外
・大学によってプレミア・プリンス出身率は20.8%〜90.9%と大きく違う
・附属校は1つの大学に固まり、強豪校は全国に散る
この記事でいちばん伝えたいのは、全国大会に出られなくても大学サッカーの道は開いているということです。605人が、テレビで見ることのない高校から関東の大学に進んでいます。
お子さんが高校でサッカーを続けている方、いま進路を考えている選手にとって、ひとつの参考になれば幸いです。


関東大学サッカーリーグの順位表はこちらです。

選手権に出場した選手たちの進路もまとめています。

大学サッカーのリーグ構成そのもの(全国9地域の仕組みと、総理大臣杯・インカレの違い)は、以下で解説しています。

高校サッカーの楽しみ方はこちらから。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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