こんにちは。
サッカーでは時々ハーフタイムでもないのに、全員が水を飲んだり、ベンチに入って休んだりしているシーンがあったり、試合によってはそういうシーンがなかったりします。
あの水を飲んでいるのはどういうルールなのですか?
質問ありがとうございます。
わかりました。
では今回は飲水タイムとクーリングブレイクの違いについて解説していきたいと思います。
よろしくお願い致します。
結論を言うと飲水タイムとクーリングブレイクはともに
「水分補給」
ということなのですが、発動条件等が少し違います。
どこがどう違うのかっていうのを以下で解説していきますので、
興味ある方は是非ご覧ください。
飲水タイムやクーリングブレイクが出来た背景
この水分補給の時間が出来た背景にはどのようなことがあるのでしょうか?
まず、気候条件が昔に比べてだいぶ変わったという点です。
近年、夏場の日中は35℃を超える日が増えてきました。
ヨーロッパなどは、暑い時期にサッカーはしないという習慣?みたいなものがあるので、
リーグ戦などは夏場はお休みなります。
ただ日本は夏場もリーグ戦などの公式戦が、どの年代でも行われています。
こんな中、日本サッカー協会は2011年からユース(18歳以下)の年代において、
「熱中症予防」
という観点から、前半・後半ともにちょうど半分の時間の時に「約1分間」の飲水タイムを設けることにしました。
2014年ブラジルワールドカップでは、暑すぎる問題から、「3分間のクーリングブレイク」が初めて導入されました。
日本では、2016年からどの年代においても、ベンチに入って休める「クーリングブレイク(3分間)」が導入されました。
ちなみにこの「飲水タイム」と、「クーリングブレイク」を導入するに「WBGT値(湿球黒球温度)」という基準を用いられており、この数値により、「飲水タイム」にするか「クーリングブレイク」にするかが決まることとなっています。
WBGTとは、暑さ指数を示す、気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標のことで、気温と同じ℃で示されますが、気温とは異なるものです。このWBGTを、試合前とハーフタイムに運営の方々が会場で測定します。
では次に、この「飲水タイム」、「クーリングブレイク」の2つの違いについて、細かく解説していきたいと思います。
2024シーズン飲水タイム実施ルールについて
Jリーグは6月7日、2024シーズンの「飲水タイム」実施ルールについてを発表しました。
「飲水タイム」は8日から日本サッカー協会(JFA)の「熱中症対策ガイドライン」を適用して実施される。
なお、このルールを暫定とし、Jリーグが夏季期間として定める7月12~9月1日について別途基準を設ける可能性がある。
対象となる大会は明治安田J1、J2、J3の各カテゴリーとJリーグYBCルヴァンカップ。
実施ルールは以下の通り。
- WBGT25℃以上で両チーム事前合意の場合、飲水タイムを実施可能
- WBGT28℃以上の場合は飲水タイムを実施
- WBGT31℃以上の場合はクーリングブレイクを実施
*以下で解説しているものと若干違いますが、以下のものは一般的なものと理解してもらえれば大丈夫です。
飲水タイムについて
まずは以下に簡単にまとめました。
どのタイミング? | 前後半それぞれ半分の時間が経過した辺り |
時間 | 1分間 |
給水方法(場所) | ピッチ内(ピッチ外に出てはいけない) |
飲んでよいもの | 水・スポーツドリンク等 |
アディショナルタイム | 1分間の追加 |
WBGT値 | 社会人・プロ:28℃以上(人工芝25℃以上) 高校生:28℃以上(人工芝25℃以上) 中学生:25℃以上(人工芝22℃以上) 小学生:25℃以上(人工芝22℃以上) |
戦術的指示 | NG |
基本的には、ボールが外に出たタイミングで、審判が時間をとることになっています。
目安は「1分間」と言われ、ベンチ前で飲んでも良いし、コート脇においてあるボトルの水を飲んでも良いとされています。コートの外には出てはいけません。
水以外のものも飲んでよいとされています。
監督等から戦術的な指示は行ってはいけません。
飲水タイムにかかった約1分間は、アディショナルタイムに追加されることとなっています。
飲水タイムの基準となるWBGT値は、年代によって異なります(上記記載)
クーリングブレイクについて
次にクーリングブレイクについて以下にまとめました。
どのタイミング? | 前後半それぞれ半分の時間が経過した辺り |
時間 | 3分間 |
給水方法(場所) | ベンチや日陰に入って休む(座ることも可能) 氷等で身体を冷やすことも可能 |
飲んでよいもの | 水・スポーツドリンク等 |
アディショナルタイム | 3分間の追加 |
WBGT値 | 社会人・プロ:31℃以上(人工芝25℃以上) 高校生:28℃以上(人工芝25℃以上) 中学生:28℃以上(人工芝25℃以上) 小学生:25℃以上(人工芝22℃以上) |
戦術的指示 | OK |
基本的には、飲水タイムと同じで、ボールが外に出た時に審判が時間をとることになっています。
目安は「3分間」と言われ、選手全員がベンチの中、テント等日陰に入って休みます。
水だけでなくスポーツドリンクを飲んでも良いし、氷などで身体を冷やしても良いです。
飲水タイムと違い、クーリングブレイクは監督等から戦術的な指示もしてよいこととなっています。
(これにより試合の流れが変わることも良くあります。)
クーリングブレイクにかかった約3分間は、アディショナルタイムに追加されることとなっています。
クーリングブレイクの基準となるWBGT値の飲水タイムとの違いは、中学生年代が25℃以上➡28℃以上に変更になる点以外は変更ありません。
上の基準は日本サッカー協会の基準となっています。
FIFA(国際サッカー連盟)の基準は以下の通りです。
国際サッカー連盟(FIFA)の基準では気温が摂氏32度に達すると、審判の判断で前半30分及び後半30分の前後にクーリングブレイクとして3分間の給水時間を設けることができる。
このルールが初めて世界で適用となったのが、2014年ブラジルワールドカップからです。
日本サッカー協会が定めているものとは少し異なりますが、世界全体で、「熱中症」というワードは重要な課題となっていることがわかります。
まとめ
今回は、「飲水タイム」と「クーリングブレイク」の違いについて解説しました。
以下に両者の違いをまとめます。
飲水タイム | クーリングブレイク | |
どのタイミング? | 前後半それぞれ半分の時間が経過した辺り | 前後半それぞれ半分の時間が経過した辺り |
時間 | 1分間 | 3分間 |
給水方法 (場所) | ピッチ内 (ピッチ外に出てはいけない) | ベンチや日陰に入って休む (座ることも可能) 氷等で身体を冷やすことも可能 |
飲んでよいもの | 水・スポーツドリンク等 | 水・スポーツドリンク等 |
アディショナルタイム | 1分間の追加 | 3分間の追加 |
WBGT値 | 社会人・プロ:28℃以上(人工芝25℃以上) 高校生:28℃以上(人工芝25℃以上) 中学生:25℃以上(人工芝22℃以上) 小学生:25℃以上(人工芝22℃以上) | 社会人・プロ:31℃以上(人工芝25℃以上) 高校生:28℃以上(人工芝25℃以上) 中学生:28℃以上(人工芝25℃以上) 小学生:25℃以上(人工芝22℃以上) |
戦術的指示 | NG | OK |
以上のようになります。
暑さ問題というのは、今後もっと重要視されていくことだと思うので、皆さんも注目していってもらえたらと思います。
また、選手だけでなく、試合を観戦している、サポーター、父母、試合運営の関係者の方々も、熱中症には充分にに注意して、サッカーを楽しんでもらえたらなと思います。
その他のサッカールールについても解説しているので、併せてご覧ください。
以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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